書評でつながる読書コミュニティ

神々の最終戦争による破滅を避けるため、時空を経巡る壮大な物語

　熾天使セラフィは上帝によりある命を受けました。その命を果たすため地上に降り、そこで会ったのはなんと、フランセス・イエイツ！（こちらでも 『記憶術』、 『世界劇場』、 『ジョルダ…

宇宙探査機たちの「スター名鑑」、あるいは彼らの墓碑銘

　スペースシャトル時代のおわったあとも、「宇宙探査」が話題を集めることは少なくない。日本でも、月探査機「かぐや」が順調であったことが大いに報道されていたし、「はやぶさ」の物語は大…

カフカの極超短編を多数集めた作品集。訳者は寓話集の題名に囚われず自由に読んで良いと言っているが、動物を主人公にした話などが寓話に読める。比較的分かり易い作品が多く良いカフカ入門になりそう。

池内紀氏が編んだカフカの短編集で、「寓話集」とあるが、「寓話」に特に意味はなく、読み方は自由であるとのこと。全部で３０編も載っているが、１頁の極超短編から１０頁に満たないものまで…

ツキノワグマのエキスパートが語る、上手なクマの襲われ方。

著者の米田さんは１９４８年生まれで秋田県庁の自然保護課に勤務した後フリーのクマ研究家となった方。この本では２０１６年までのツキノワグマによる人身事故のデータを元に、人がクマに遭遇…

火付け強盗が闊歩する江戸市内で、強盗団の解明と捕縛を命じられたのが若き日の水戸光圀。その手下にはもともと捨て子であったが、間者に仕立て上げられた異能の子供たち。光圀探偵と少年探偵団の捕物絵巻です。　

冲方 丁はどうやら水戸光圀のことが大好きなようで、「光圀伝」において光圀の一生を詳らかに著わしていますが、その中でも血気盛んな”傾寄者”だった青年期の光圀が本作で大暴れします。 …

優しい時間と詩のお話

細かい説明がなくても「ぼく」と「きみ」の関係性がぼんやりとわかり、近いようで遠い存在の間で交わされる言葉が柔らかくて優しくて心地良かった。 ふと現れて、ぼくが気づきもしない…