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千世

千世 さん

本が好き! 1級
書評数:401 件
得票数:8812 票

国文科出身の介護支援専門員です。
文学を離れて働く今も、読書はライフワークです。

書評 (401)

絶対読むべき日本の民話 遠野物語【Kindle】

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絶対読むべき日本の民話 遠野物語【Kindle】

遠野地方に伝わる伝承を記した説話集。不思議で奇妙でちょっと怖い、そんな昔話。語り伝える人にとっては、それはすべて真実なのでしょう。ザシキワラシも川童も天狗も。川童の子を生んだ女がいるというからには。

 岩手県遠野を旅する機会があり、それに合わせて柳田国男の『遠野物語』を読みました。遠野地方に伝わる伝…

投票(21コメント(0)2025-10-13

アクロイド殺し ハヤカワ文庫―クリスティー文庫

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アクロイド殺し ハヤカワ文庫―クリスティー文庫

ミステリーの王道を行くクリスティーの代表作のひとつです。トリックとストーリー性にひかれ、急かされるように読み進めました。犯人を知ってからもう一度読むと、新たな気づきに出会えてまた面白いかもしれません。

 クリスティーと言えば、『そして誰もいなくなった』や『オリエント急行殺人事件』、『ABC殺人事件』な…

投票(22コメント(0)2025-10-05

犯罪者【上下 合本版】

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犯罪者【上下 合本版】

通り魔による殺人事件は、折り重なる犯罪劇の序章にすぎませんでした。世の中には絶対的な正義も、全てを解決してくれるスーパーマンも存在せず、だからこそ私も、いつ犯罪者となってしまうかもしれない。その恐怖。

 新たな作家との素晴らしい出会いがありました。「解説」によると作者はテレビドラマの脚本家であり、本作…

投票(19コメント(0)2025-09-21

殉国 陸軍二等兵比嘉真一 (文春文庫)【Kindle】

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殉国 陸軍二等兵比嘉真一 (文春文庫)【Kindle】

沖縄県下の中学生に発令された召集令状。戦って死ぬことを望みながら、米軍の一方的な砲撃の前に、ただ歩き続けるしかない幼い兵士。彼の足跡を辿るだけで、読者はこの悲惨な戦争を存分になめつくすことができます。

 昭和20年3月。沖縄県下の中学生に召集令が発令され、3年生以上の生徒は全員が召集令状を受け、鉄血勤…

投票(22コメント(0)2025-09-07

俘虜記(新潮文庫)【Kindle】

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俘虜記(新潮文庫)【Kindle】

米軍の俘虜となった作者自身が、収容所での生活を克明に描き綴った作品。無聊を持て余す日々の出来事をただ書くことにより、作者は俘虜たちの思いを読者に委ねました。果たして彼等は本当に生きているのだろうかと。

 1945年1月、フィリピンのミンドロ島にて米軍の俘虜となった作者自身の体験を、詳細に綴った作品です…

投票(19コメント(0)2025-08-24

復活の日

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復活の日

ウイルスという肉眼では見ることのできない微細な生物の前に、人間は何と無力なことか。地球という巨大な星がもたらす脅威の前に、人間は何と小さな存在なのか。それでもまだ戦争を止めない人類。世界は変わらない。

 SFというジャンルは、いつも私に地球とそれを内包する宇宙の大きさ、それと比較した人間のちっぽけさを…

投票(20コメント(0)2025-08-16

火喰鳥を、喰う

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火喰鳥を、喰う

あの時の偶然が変えた人生。死んでいたかもしれない自分。そんな恐怖がホラーという手法で描かれます。太平洋戦争で死んだ大伯父が、墓や夢に現れては変えてゆく運命。火喰鳥は一体何を象徴しているのでしょうか?

 あの偶然がなかったら、私は死んでいたかもしれない。あの時違う選択をしていたら、別の人生があったかも…

投票(21コメント(2)2025-08-04

不道徳教育講座

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不道徳教育講座

画一化された道徳教育に対し、人間の本質をユーモアたっぷりに描いたエッセイ。コンプライアンス重視が叫ばれる昨今だからこそ読むべき本。三島由紀夫が自死したのはそれから11年後。一体何があったのでしょうか。

 「大いにウソをつくべし」「友人を裏切るべし」「弱い者をいじめるべし」「罪は人になすりつけるべし」「…

投票(23コメント(0)2025-07-28

マノン・レスコー

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マノン・レスコー

『椿姫』のマルグリットがアルマンとの出会いにより幸せを見出したのに対して、マノンはグリュウを悪徳の世界に引きずり込みました。美しく罪深い女マノンにとって、グリュウとの恋愛に幸福はあったのでしょうか。

 同じフランス人作家デュマ・フィスの『椿姫』の作中で、若き恋人アルマンが娼婦マルグリットにプレゼント…

投票(20コメント(0)2025-07-13

金閣炎上(新潮文庫)

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金閣炎上(新潮文庫)

彼はなぜ金閣寺に放火したのか。本当のことはわからない。それでも、作者が長い歳月をかけて徹底的に調べ抜き、書き上げた本著からは、犯人の具体的な人物像と金閣寺の抱える矛盾点が自ずと浮かび上がってきます。

 金閣寺の学生僧による金閣寺放火事件が発生したのは1950年7月2日。作家水上勉は、20年の歳月をか…

投票(23コメント(0)2025-07-02

ながい坂 (上巻)【Kindle】

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ながい坂 (上巻)【Kindle】

人生という名の長い坂道を、私もまた歩き続けている。この物語は三浦主水正という侍の人生を描くことで、読者にそんなことを教えてくれます。死ぬその瞬間まで歩みを止めることはない。それが人間だと。上下2巻。

 私自身もまた、人生という名の長い坂を歩き続けている。そう思いました。その坂は時に急になり、緩やかに…

投票(23コメント(0)2025-06-22

マルタの鷹【Kindle】

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マルタの鷹【Kindle】

「マルタの鷹」という彫刻を巡って繰り広げられるハードボイルド。クールな中年の私立探偵と謎の美女。アクションとドライな結末。行間に隠された謎に迫られつい先を読まされますが、実は映像向きかもしれません。

 こういうのをハードボイルドと呼ぶのだろうと、ハードボイルドの定義もよく理解できていない私が思いまし…

投票(22コメント(0)2025-06-15

オルフェーヴル伝説 世界を驚かせた金色の暴君

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オルフェーヴル伝説 世界を驚かせた金色の暴君

私の夢を、次々にかなえてくれた大好きなオルフェーヴル。そんなオルフェーヴルについて、競馬ライターたちが存分に語った本。強さの裏にある関係者たちの苦労。血統の奇跡。読み終えた私が次に彼に託す夢とは…。

 私にとってオルフェーヴルは、夢をかなえてくれる馬でした。三冠馬という夢、3歳での三冠+有馬記念とい…

投票(26コメント(4)2025-06-01

アフリカの蹄 (講談社文庫)【Kindle】

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アフリカの蹄 (講談社文庫)【Kindle】

アパルトヘイト政策が廃止されたアフリカのある国で起こった、白人の極右勢力による痘瘡ウイルスを使ったテロ。黒人と共に戦うのは1人の日本人医師。芯に根付いた差別意識を変えるのは、何と困難なことでしょうか。

 フィクションとはいえ、「黒人だけを対象にした痘瘡ウイルスによるテロ」という過激な内容を扱っているた…

投票(25コメント(0)2025-04-27
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