まさに世界の終わり/忘却の前の最後の後悔





「現在、フランスで最も上演されている劇作家は誰か、それがジャン=リュック・ラガルスである。HIVに感染し、1995年、『ルル』の稽古中に倒れ、わずか38歳の若さでこの世を去った」(本書解題より)
ジャン=リュック・ラガルス(1957-1995)は、本書解題によれば「20年に満たない期間に、25本…

本が好き! 1級
書評数:2359 件
得票数:45214 票
「本職」は、本というより映画です。
本を読んでいても、映画好きの視点から、内容を見ていることが多いようです。





「現在、フランスで最も上演されている劇作家は誰か、それがジャン=リュック・ラガルスである。HIVに感染し、1995年、『ルル』の稽古中に倒れ、わずか38歳の若さでこの世を去った」(本書解題より)
ジャン=リュック・ラガルス(1957-1995)は、本書解題によれば「20年に満たない期間に、25本…



このシリーズの主人公「スミスの宇宙冒険物語は、人間の生命、精神、心、魂を吸い取って糧にしようとする吸血鬼ともいうべき、吸血鬼の変形であるエイリアン・モンスターたちとの戦いである」(本書解説より)
C.L.ムーア(1911-1987)は、本書収録の『シャンブロウ』(1933年)でデビューしたSF・…




「マイナス45度では、唾が雪の上ではじけることは知っていたのだが、今吐いた唾は空中で砕けた。いまや温度がさらに下がっているのはまちがいない」(本書収録『たき火』より)
ジャック・ロンドン(1876-1916)の短編集を読むのは、これが初めてです。訳者あとがきによると、…



「飛行機にはみんな人が乗っているんだ、撃ってくるのも爆弾を落とすのも、その人たちなんだ。砲弾が飛びでてくる大砲も、みんなその後ろには人がいる」(本書中の台詞)
本書のことは、ぱせりさんの書評で知りました。感謝いたします。 作者クリスチーネ・ストリンガー(…




「大人がどれほど多くの人を戦争で殺したと思ってるんだ?とりわけああいう連中を。ユダヤ人とかロシア人とかもだ」「ああいう連中ってどういう意味だい?」「頭がおかしい連中のことさ」(本書中の会話より)
本書に収録されている作者の『日本の読者のみなさんへ』という文には、次のような記述があります。 …




「われわれをまともに扱ってくれるところが故郷だ。子どものときに虐待された親の家には、大人になってもけっしてセンチメンタルな愛情のこもった思い出など持たないだろう」(本書登場人物の台詞)
菅原万亀さんの書評で、本書のことを知りました。感謝いたします。 作者イルムガルト・コイン(19…




「4年ぶりにアメリカ合衆国大統領へと返り咲いた御仁による、無節操で思慮を欠いた振舞いと、時代錯誤ともいうべき自国第一主義がもたらす不穏なニュースが、メディアを騒がせない日はない」(本書解説の冒頭句)
2023年刊の本書は、新人作家ケン・ジャヴォロウスキー(名前からして東欧・ロシア系でしょう)が、現在…





「戦争を闘うのは子供たちだ。気が狂った大人が考え出し、少年が闘う。人々がいかに若いかに驚いて、今そう言うのだが、彼らが若いのではなく、自分が年老いているからだということを忘れているからだ」(本書より)
作者のペネロペ・ライヴリーのことを知ったのは、ぱせりさんの『ノアハム・ガーデンズの家』(1974年)…



「わたしは、この時 知った。この世には 決して 立ち入っては ならない場所が あるということを」(本書のラストより)
先日読んだ森洋子の『ある星の汽車』(2025年)の鉛筆画がとても印象的だったので、同じ森洋子の別の絵…





「どんな伝説にも一抹の真実がある」(ポーランドの言い伝え) 「半分が真実ということはすべてが嘘だということだ」(ユダヤのことわざ) 真実はどちら?
「私自身はユダヤ教信者で愛国主義者ですが、現在のイスラエル政府の政策は世界に害を及ぼすものと見ていま…



「恋には犠牲がつきものなのね。犠牲には血がつきものだわ」(表題作登場人物の台詞)
ジョゼフ・シェリダン・レ・ファニエ(1814-1873)は、アイルランドのダブリン出身の19世紀を代…




光文社文庫版の『松本清張短編全集』の第二巻です。徳川家康と大久保利通という時代の変わり目に登場し、権力の頂点に立った人間の描写が印象的な作品群が収められています。
光文社文庫版の『松本清張短編全集』の第二巻です。このシリーズは、時間をかけて少しずつ読んでいこうと思…




「人間というものは、何のために生きているのだろう。この答えが出たのだった。つまり、死の恐怖だけで支えられていたらしい」(本書収録『殉教』より)
1961年に刊行された星新一(1926-1997)の第二短編集です。「ショートショート28選」という…




1945年に出版された本書は、警察小説の嚆矢とされている作品です。同時に、当時の警察の科学的証拠に対する軽視や自白重視が透けて見え、そういう考え方が冤罪の根底にあることが感じられます。
ローレンス・トリート(1903-1998)は、警察小説の嚆矢とされる本書を1945年に出版したことに…




ずいぶん前ですが、出版関係に勤めていた友人から、現代戯曲の本は売れない、という話を聞いたことがあります。このシリーズは、そういう傾向に少しでも逆らおうとして出版されたものだと思います。
全三冊のこのシリーズですが、編者である日本演出家協会について、まず簡単に触れます。そのホームページで…




「今、ここでそういう時代(戦争時代)がもしきて、言論弾圧や思想統制があっても、ぼくは描くね、手鎖はめられても足で描くよ!描くだけでなしに見せますね!」(本書解説で紹介されている手塚治虫の言葉)
『手塚治虫「戦争漫画」傑作選』の第二巻になります。第一巻に比べると、いわゆる大人向きの漫画が多いこと…





本書の時代背景は1950年代のアフリカのケニアですが、読んでいると、現在のパレスチナとイスラエルで同じことが起こっていることを感じます。
「どんなふうに話そう? 真実をそのまま、ただ真実だけを話そうか? ぼくの側の話をしようか?それと…



原題を直訳すると「雲の中の頭」ということで、要するに「体は地上にあるけれど、おツムは雲の中にある」ということなのでしょう。イタリア語ではよく使われる表現のようです。その通りの15歳の少年が主人公です。
1957年生まれのイタリアの女性作家スザンナ・タマーロが、1989年に発表した処女作です。前から作者…




「(本書の)真の主人公は誰か。最後まで読めばわかるとおり(中略)"家" そのものだといえるだろう。現代の私たちはこのことを念頭に置いた上で読んでいくのが望ましい」(本シリーズ監修者、瀬名秀明の解説より)
瀬名秀明が監修し東宣出版より出されている「シムノン ロマン・デュール選集」の第四巻です。ジョルジュ・…




「北極海の氷、さらに南極大陸の氷がとけつつある。(中略)ばかばかしい妄想だと言う人もあろう。規模が大きすぎて無理だと評したい人もあろう。しかし、決して不可能なことではないのだ」(本書登場人物の台詞)
本書の原題は"The Kraken Wakes"です。クラーケンとは、ギリシャ神話でペルセウスによっ…