大奥の権力者 松島
大奥で権勢を極めた松島は記録の残っていない14年間、何を思っていたのだろうか。
江戸時代の大奥には権勢を極めた女中(老女)が何人かいた。その中の一人がこの本の主人公「松島」である。…
本が好き! 免許皆伝
書評数:2349 件
得票数:40143 票
片道45分の通勤電車を利用して読書している
アラフィフ世代の3児の父。
★基準
★★★★★:新刊(定価)で買ってでも満足できる本
★★★★:新古書価格・kindleで買ったり、図書館で予約待ちしてでも満足できる本
★★★:100均価格で買ったり図書館で何気なくあって借りるなら満足できる本
★★:どうしても本がないときの時間つぶし程度ならいいのでは?
★:う~ん
★なし:雑誌などの一言書評
※仕事関係の本はすべて★★★で統一します。
プロフィールの画像はうちの末っ子の似顔絵を田中かえが描いたものです。
2024年3月20日更新
大奥で権勢を極めた松島は記録の残っていない14年間、何を思っていたのだろうか。
江戸時代の大奥には権勢を極めた女中(老女)が何人かいた。その中の一人がこの本の主人公「松島」である。…
朝廷は「烏漣娘娘」信仰を通じて地方を支配を安定化を目指すのか。そのために、裏で土着神を始末するつもりなのか。
霄の京師には、稀代の巫術師がいる 「烏衣の華」の巫術師・董月季と彼女の許婚は封霊耀、さらに…
関羽をだまし討ちしてしまったことで、呉に孫権に正義の風は吹かなくなってしまったのかもしれない。
宮城谷三国志を読んでいくと、著者が考えるターニングポイントがいくつかある。 その中の一つが、赤壁の…
平山優の最新研究に基づき、三方原の戦いを伊東潤が描く。
歴史小説は難しい。なぜなら最新の研究結果で作家が描いたものがひっくり返ることがある。伊東潤でいうと「…
思春期・反抗期真っただ中の野球少年をまっすぐに描く。その生々しさが心を打つ。
おろち峠を越えると、山の斜面には、まだ雪が残っていた。右側には雪の山、左側は、あに。 カド…
「重度障害児を(産み)育てる」とはどういうことなのか。「健常者」はそこに何を見出すのか。
大久保で探偵事務所を営む佐竹は、探偵として育ててもらった大手事務所の寺西に女性新人探偵・中野聡子の研…
私たちは過去から未来へとつなぐ人。これって、生存性バイアスの塊なのかもしれない。
舞台は横浜市磯子区。 建築家の「おとうさん」と総合出版社に勤める「おかあさん」の間に「くん(訓…
生まれてすぐからバケモノに育てられても人間の血からは逃れられないのか。この点はもっと議論されていいはずだ。
9歳の蓮は渋谷の街を歩いていた。父と離れ、母とは死別し、金持ちの父方の唯一の男系跡取りとして無理やり…
小説を読むのに疲れたら読むといい。ああ、小説ってこんなに良いものだったんだなと思えるから。
私は存じ上げなかったが、著者は有名なインフルエンサー作家・書評家。小説の書き方の本はあっても読み方の…
普通の人間同士の子どもだって、実はおおかみこどもだよ。冒頭その他ドン引きしたけど、最後、3人の子持ちオジサンは泣いちゃったよ。
愛してしまった男は、オオカミと人間の両方の血を受け継いだ人だった。両親を亡くし、一人で一橋大学に進学…
恋と革命。蛇とキリスト教。太宰晩年の緻密な構造が光る。かず子は本当に上原の子を妊娠したのか。
朝、食堂でスウプを一さじ、すっと吸ってお母さまが、 「あ」 と幽かすかな叫び声をお挙げに…
北海道函館を舞台にした、とにかく甘いシンデレラ・ラブストーリー。
時は大正時代、舞台は函館。伊地知静子は函館に住む華族の分家であり、父正也は不動産業の顔を持つ。伊地知…
日常とは冗長な表現の連続なのではないか。だからこそ人は本の中に別のテンポとリズムを求める。
読長町の御倉嘉市といえば、全国に知られた書物の蒐集家で評論家であり、おぎゃあとこの世に生まれてから…
漢字を満足に読めない16歳はどこまで難しい言葉で思考を広がられるのか。医師の心も大事だけれど、少女の思考も大切だよ。
12歳のお葉は父母を流行り病で亡くし、親族に騙されて行った奉公先では過酷ないじめ。16歳の時に大川に…
おちか、出産。出産の裏に隠された富次郎の奮闘。実に恐ろしきは人の業、人の念。単行本と文庫とでまったく違う表紙であるが、人間という存在の表裏そのものでもある。
三島屋百物語の聞き手であった「おちか」がついに出産する(「青瓜不動」)。おちかはシリーズ1巻目 おそ…
減速する紙の出版界、終了するネットサービス、AIで歪められるネット界。20年経った今だからこそ「図書館戦争」が問いかける問題意識の重要性。
「図書館戦争シリーズ」がベストセラーになった2000年代後半。「今はネット時代だし、本がダメでもイン…
織田作之助を甘く見ていた。30代半ばで終戦という曖昧な日本の「近代」の終焉を見た作家こそ、日本における「近代」小説家の最期の姿であると私は確信した。偉大な作家だ。
織田作之助といえば 「夫婦善哉」 である。私は「この二人がなんで惚れ合っているのかわからない」と当時…
100年前なら必携の書。かわいい顔(表紙)して、この本、かなり(厚くて)やるもんだねと…。
明治の文豪は、漢詩・漢文を操っていた。 正岡子規は祖父が松山藩の藩儒であり、森鴎外は津和野藩医の嫡男…
「白痴」の女は、戦争という荒波の中で口を閉ざす伊沢自身の分身なのかもしれない。「行雲流水」に出てくるパンスケのソノ子の方がよほど振り切れている。
昭和20年4月15日。城南京浜大空襲で東京南部から川崎にかけて焦土と化した。 その中、新聞記者の伊…
源氏物語のような「後宮の烏」から数十年後の世界。まるで宇治十帖のような懐かしさを覚えつつ、烏姫なき世界、巫術師のいる世界を楽しむ。
後宮の奥深く、〈烏姫〉と呼ばれる妃が住んでいる (後宮の烏) 霄の京師には、稀代の巫術師が…