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教科書に載っていることが必ずしも事実ばかりではないっていうこと。

  • 増補 オオカミ少女はいなかった: スキャンダラスな心理学
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  • 出版社:筑摩書房
増補 オオカミ少女はいなかった: スキャンダラスな心理学
 本書の親本にあたる『オオカミ少女はいなかったーー心理学の神話をめぐる冒険』(新曜社)は9年前に読了。オオカミ少女の項をもう一度読み返したくて、文庫版を購入。

 小学生のとき、授業でオオカミ少女アマラとカマラについて習った世代である。
 習ってからけっこうな年月がたつけれど、少女の名前も、場所がインドであることもおぼえていた。
オオカミによる人間の子どもの養育っていう話が、けっこうな衝撃だったんだろうと思う。

 それから年月がたち。10年ほど前、ネットで「オオカミ少女の話は捏造」という記述を読んでこれまた衝撃を受けた。
だってだって、アマラとカマラって、教科書に載ってたじゃん? アレ、ガセだったの?
で、詳しいことを知りたくて読んだのが、本書の親本だった。
 今回はあらためて、じっくりとアマラとカマラの項を読んでみた。
(前回は図書館、しかも他の市からの借り物だったので、じっくりと読めなかったのだ)

 1920年、インド東部のミドナブールという町で牧師をしていたジョゼフ・シングは、オオカミとともに暮らしていたとされる二人の少女を発見する。
アマラとカマラ、と名付けられたふたりは、赤ん坊のときからオオカミに育てられていたらしい。
孤児院を経営していた牧師は彼女たちを保護、養育。
アマラはほどなく亡くなるが、カマラは9年を生きる。だが最後まで、知的な能力はほとんど発達することがなかった………。

シングによる詳細な記録と写真が残されているから、これがオオカミ少女が実在したという証拠になっている……でも。

 掲載されている写真、ド素人のわたしが見ても、なんだか変。これを出してきて、オオカミ少女が実在した証拠だっていわれてもなあ。
まあ、ネッシーや雪男よりはホントっぽく見える…のかな。
捏造写真といえば、コティングリーの妖精写真はコナン・ドイルも騙されたっていうし。
(関係ないけど、この妖精写真は女の子が可愛いので好きだ)

 しかし。それっぽい写真と、あやしげな記録(四足で移動だの、生肉を好むだの)で、多くの人がオオカミ少女を信じ込んでいたなんて。
ましてや、教科書に載せられて、いたいけな子どもたち(わたし含む)の道徳教育の小道具になっていたなんて!!
読めば読むほど突っ込みどころがありすぎて…それはそれで、楽しいんだけど(笑)

 それに。このオオカミ少女のエピソードがなければ、『狼少年ケン』は生まれなかったのかもしれないし(年代的に、さすがに見たことないですけどね)
北島マヤちゃんが体を張って、オオカミ少女ジェーンを熱演することもなかった…んだろうね。
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  • 掲載日:2018/02/19
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