書評でつながる読書コミュニティ

数奇な運命を背負ったかのような青い壺は、自らを主張することなく持ち主の人生に寄り添っていく。

陶芸家である省造が焼き上げた美しい青い壺。経管とよばれる青磁の壺に目は妻の独断でデパートの美術部に売り渡される。省造の手を離れた壺は人から人へ浮舟のように流れてゆく。 本書…

個人的な興味は児童文学・・・なので、著者の両親をめぐる探求（こっちが主だと思うけど）とは別のことが興味深かった。

著者は詩人。私は詩は読んできていないので、お名前をかすかにお聞きしたことがある、という具合だ。 ではなぜ本書を手に取ったかというと、オビにもあるのだが「私は、『エルマーのぼうけ…

ジャンルを越えて予想を上回る星新一の宇宙

思えば、今年は星新一の作品をよく読んだ一年だった。年明けにふとその作風の面白さに気づいたのをきっかけに読み進めていくうち、飽きるどころか引き込まれていった。その理由の一つは、作風…

「なまみこ」とは「生神子」とかく。「生神子物語」は作者創作の偽書だが、読者に実在した本のように思わせる。もしかしたら、どこかの古書店のかたすみで、ほこりをかぶって眠っているかもしれない。

1965年の作品。 「なまみこ」とは、漢字で書けば「生神子」である。 作者が少女だったころ、国語学者だった父の蔵書の中に「生神子物語」という題の古書をみつけた。 少女だ…

クマ問題が社会問題になる前に、このような本が、すでに刊行されていたことに驚くとともに、後手後手になっている、政府や自治体の鈍さを感じます。「熊」が、今年の漢字だそうですが・・・

2023年の秋、秋田県と岩手県で、ツキノワグマの出没が相次いだとのニュースが流れました。目撃件数もさることながら、ヒトとクマが鉢合わせすることによる、事故件数も例年とは比較になら…

20～30代はパーティ？もうそれすら感覚的に古いのかも。時代についていけなくなってきて、中年が始まる。

著者（就職したけれど働きたくなくて社内ニートになり、ネット仲間とシェアハウスを作りゆるく繋がるをモットーに著作活動をしている）を全く知らず、ここでの書評を読んでなんとなく借りてみ…