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三毛ネコ
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それぞれの思惑で、腕の立つ者同士が大金をせしめようとして戦う物語です。
明治11年、「豊国新聞」という聞いたことのない新聞があるメッセージを載せた。「武技に優れた者は5月5日に京都の天龍寺に集まるように。金10万円を得る機会を与える」といった内容である。平均的な年棒が48円だった時代である。とてつもない大金だ。

金に困っていた愁二郎(しゅうじろう)が定刻に天龍寺に行くと、腕に覚えのありそうな者たちがすでに集まっていた。

説明によると、これは東京まで行くゲームのようなものだ。東京まで行くと、ゲームの後半戦があるらしい。東海道の宿場を6か所通る必要がある。各宿場は規定の点数がなければ通れない。参加者が持っている木札が1点になり、他の参加者から奪うことで点数を稼ぐ。殺し合いで奪ってもいいということだ。警察官であり、剣の腕が立つ安藤神兵衛という男が主催者を逮捕しようとしたが、逆に斬り殺されてしまった。主催者側の男たちは参加者よりも腕が上らしい。このゲームから降りることはできず、逃げた者は殺される。

愁二郎(京八流(きょうはちりゅう)の遣い手)はゲームが始まった時に双葉という少女を助け、響陣(きょうじん)という元忍びの男と知り合いになる。

京八流では8人に八つの奥義を授け、全員を戦わせて生き残った一人がすべての奥義を継承する。愁二郎たち8人は義兄弟ということになり、共に武術を学んだ者同士と殺し合いたくはなかった。しかし、そのことで愁二郎を恨んでいる他の兄弟4人もこのゲームに参加し、愁二郎を狙っていた。

ゲームへの参加者は全員で292人。東京に入るために必要な点数は30点である。入れるのはたった9人なのだ。

双葉(剣術を学んではいるが、一人で勝ち抜く腕はない)がこのゲームに参加したのは、母のコレラを治すためだった。塩と砂糖を混ぜた水を飲ませると良くなっていくのだが、塩と砂糖の値が上がって買えないのだ。愁二郎も妻と子がコレラに倒れ、治すために金が必要だった。以前は武士だったらしい。

それぞれの思惑を持ちながら、協力し合う愁二郎、双葉(この2人は仲間)、そして響陣の運命はいかに?中巻「地」に続く。
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三毛ネコ
三毛ネコ さん本が好き!1級(書評数:917 件)

フリーランスの産業翻訳者です。翻訳歴12年。趣味と実益(翻訳に必要な日本語の表現力を磨くため)を兼ねてレビューを書いています。サッカーファンです。

書評、500冊になりました。これからも少しずつ投稿していきたいと思います。

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