東京で開催され、現在は大阪の国立国際美術館で開催されている「バベルの塔展」。24年ぶりの来日ということで大変な盛況ぶりでした。朝一番で入場したのですが、バベルの塔のところで30分の行列ができていました。
実際に見ると60×75㎝のそれほど大きくはない絵ですが、そこに描かれた数ミリほどの夥しい人物、緻密な塔や風景の描写に圧倒されました。しかしながら、絵の前で立ち止まることは許されず、じっくり見ることは叶いませんでした。ということで、ミュージアムショップで購入したのがこの本。
実物大のアップ写真で、じっくり見れますし、パートパートの拡大写真とともにそこに描かれる人々の解説なんかもあったりして楽しめました。とにかく、ほんの数ミリの人が生き生きと作業をしていたり、教会へ向かって歩いていたりで、それぞれに物語を想像しながら見ていくと見飽きません。
人間の傲慢さへの“戒め”と同時に不可能に挑戦する人間への“称賛”も表現していると言われる本作。もっと高く、もっと遠くへ、もっと強くと人間の欲望に限りはありませんが、行きつくまで行った時の危うさもそこにはあるわけで、原発事故や某国の核開発など例をあげればきりがありません。
バビル二世のテーマが頭の中を駆け巡りながらも、ブリューゲルによる人間への警鐘を感じました。
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