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 救急医の武田のもとに搬送されてきた身元不明の溺死体は、武田とうりふたつの男だった。旧友とともに調査を始めるが、鍵を握る人物が死体で発見された。

  • レビュアー: さん
  • 本が好き!1級
禁忌の子
 救急医の武田のもとに身元不明の遺体が搬送されてきた。身元不明(キュウキュウ12)の遺体は、武田に瓜ふたつだった。男の正体は?なぜ自分と似ているのか、なぜ死んだのかを旧友の城崎とともに調査を始めた。武田は、自分のルーツを調べるため母子手帳に記されていた生島病院を訪れた。理事長との面会の日時を約束したが、当日ふたりで向かうと約束した時間になって理事長は現れず、理事長室を訪れるとそこには理事長の遺体があった。

 武田医師は、ふたごだった?と思うのは誰もが想像することかと思う。しかし、真相はそれほど単純なことではなかった。意外な人物がキュウキュウ12を殺めさらに、キュウキュウ12の身元が判明するとそれは想像を絶する生い立ちだった。誰が何のために殺人を犯したのか。城崎がガリレオの如く冷静に謎を解き、武田を助けるのだが。

 「禁忌の子」が第34回鮎川哲也賞受賞作品というのを知らずに読んだが、読み始めてすぐに心を鷲掴みにされた。医療現場がそのまま作品に投影されているかのような描写、自分の出生に何があるのか武田医師の胸中を想像するだけでもドキドキし、スリリングな展開に夢中になった。著者の山口未桜氏は、お子さんの泣き声で目を覚ました瞬間に物語の骨格を思いついたそうだ。医師であり、母親であり作家でもある著者の力作に天晴としか言いようがない。すでに医師・城崎響介シリーズ第2弾として「白魔の檻」が出版されている。次の作品も楽しみだ。
 
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  • 掲載日:2025/11/20
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