面白いタイトルの本だなぁと思い、図書館から借りてみました。著者のことは全く存じ上げず、その本を読むのも初めてでした。
著者は『食』に対して非常に熱い情熱を傾けています。とにかく集中して食事をしたいと熱望しており、だから食べながら会話を交わすような会食はイヤだと言います。
また、様々なことに一家言を持っており、例えば……
昭和的な飲みニケーションなどは中心にいる者が周辺に居ざるを得ない者たちを叩き、自分たちだけが楽しむようなものなので拒否すると言いますし、「食べることがつなぐ縁」などという考え方は否定します。
また、著者は自身のことをダイエッターであると自称し、食事もほぼ一日一食に制限しているので、いきおい一食に賭ける情熱が高まるのだとも言います。どこで食べるかにも真剣に悩むし、食べるときにはその食に全集中したいのだと言うのです。
う~む……書き振りが過激だなぁと思うところはあるものの、その言わんとすることには同意できるところもあったりするのです。
そんな著者にとってラーメンとは、完全に食に集中できる食べ物だと言います。仮に同伴者がいたとしても、ラーメンが着丼するやそれぞれが自分のラーメンを食べることに集中することになると。う~む……。
そんな孤高の著者にも同調者がいます。編集者のTさんという方だそうですが、毎週水曜日の朝、二人は片道約5キロのランニングをします。Tさんは武道を通じて鍛錬を続けている方だそうで、Tさんに勧められて著者も一緒に瞑想をするようになります。
行きのランニング終了後、ベンチなどに座り、専用のアプリを起動させながら終了のブザーが鳴るまで瞑想を続けます。
その後は、二人で選びに選んだ店まで帰りのランニングをし、そこで食事をすることを日課にしているのだそうです。
もちろん、二人の考えが合わないこともありますし、食の嗜好も異なります。互いの行動に賛同できないところもあるのですが、そこは大人。お互いに干渉しないというルールで一緒に行動し続けるのです。
本書は、そんな『朝活』の記録というか、どこの店でどんなものを食べたかという記録をエッセイ風に綴ったものであります。食事はラーメン愛はあるものの必ずしもラーメン一辺倒ということはなく、著者が住んでいるという高田馬場を中心として、様々な店の美味しいと思った料理を紹介していきます。
私、転勤族だったのですが、高田馬場周辺には結構長いこと住んでいたことがあり、あの辺りは知っているつもりだったのですが、確かにあの辺りの店の移り変わりは早く、私が住んでいた時期でもいくつものお店が消え、新しくできるを繰り返していました。
ですから、本書で取り上げられているお店も私が知っているお店はごくわずか。でも、なんとなくロケーションとか、あの辺りかな? という雰囲気は分かりましたので、「今はそうなっているのか~」などと思いながら読ませていただきました。
著者とTさんの会話は結構コムズカシく、まあ、テツガクしているとも言えるかも。そんなに理屈っぽく考えなくても……とも思わないではなかったのですが、それも味として楽しませていただきました。
グルメガイドとして読むもよし、(ユーモラスな味を狙って書いているかもしれない)著者とTさんのある意味奇妙な関係を読んで楽しむもよし、著者の考え方に賛同したり反論してみるのもよし、様々な読み方ができそうな本でありました。
読了時間メーター
□□□ 普通(1~2日あれば読める)/207ページ:2025/10/10
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