予期せぬ出来事に直面した際、心の平穏を守るために状況を「正常」と認識してしまう心理的メカニズムが、正常性バイアス。想定外の事態が起きたとき「自分は大丈夫」と思い込んで危険を過少認識してしまうと、逃げ遅れて・・・THE END。
アウトドアはもちろんですが、ちょっとした外でのお楽しみ=川辺でBBQ・森の散策・茸・野草狩り・近所の公園だって、「大丈夫」ではない。危険はいつでも隣りあわせだということを忘れてはいけないのです。
本書は「自分を殺さないために」「大切な人を死なせないために」、そして「救助をしてくれる方々を危険に巻き込まないために」心得ておくべき危険の事例集です。
☆ 冬になると必ず聞くのが、「バックカントリーで事故」
基本的なバックカントリーのエリアは「スキー場の安全管理区域外」=(入山禁止でない)山岳エリア。つまりは「雪山登山」で遊ぶわけですから、危険で当たり前だと心得るべきです。
よく聞く事故が本書でも紹介された、パウダースノーに埋まって出られない、にょきっと生えてる木に激突、道に迷ってそのまま遭難。その他、体力の消耗や低体温症、天候の急変、崖やクレバスに滑落・・・管理されていない場所は危険でいっぱいですから、登山届・プロのガイド・救助用道具(GPSなど)は必須。
ちなみに「立ち入り禁止エリア」に入り込んで事故る連中は、バックカントリーというよりただの「迷惑まぬけ」。そんな奴ら救助に行かなくていいんじゃないかと思うんですが、無料もしくは低い自己負担で救助隊が派遣されるとか・・・。救助隊の皆様の命を、労力をなんだと思ってるんでしょう?奴らには救助費用全額負担+高額罰金を、法的義務として支払わせることを強く願っております。
☆ 認識ってすごく大事と思ったのが、「一酸化炭素中毒で死ぬ」
本書では換気が悪い状態のテントの中で火器を使い、一酸化炭素中毒になって死亡した件を紹介。アウトドアに限らず、密閉性の高い昨今の室内のストーブなどで起きる危険があります。マメな換気は、季節に関係なく心がけましょう。
ちょっと違いますが、以前TVで見た「クーラーを効かせた自動車の中で、日焼けが痛いから腕に冷却スプレーをして、タバコの火をつけたら爆発した」っていうニュースを思い出しました。認識レベル0点・・・というかマイナス5億点の人って、ホントいるんですねぇ。
☆ そんなことで…!?と怖かったのが、「カタツムリやナメクジに触って死ぬ」
異国でカタツムリを食べた人が、激しい症状を引き起こして死んだ・・・という話は聞いたことがあったんですが、本書では沖縄の幼い少女の死亡例。おそらく触ったカタツムリの寄生虫が体内に侵入し、脳や脊髄に移動して髄膜脳炎を引き起こしたとのこと。
特効的な治療法は無く、治療の主体は対症療法なので、とにかく重要なのは感染予防です。
1 カタツムリやナメクジに触らない。触らせない。
2 うっかり触っちゃったら、すぐさましっかり手を洗う。
3 這った後の粘着物にも寄生虫がいることがあるから、野菜を生で食べるときにはよく洗う。
暖かい外国や沖縄以外でも、野生で這いずる彼らにどんな寄生虫や菌があるかわかりませんから、くれぐれも注意しましょう。
その他、「夏なのに寒さで死ぬ」「疲れて死ぬ」「オニダルマオコゼに刺されて死ぬ」「アオブダイを食べて死ぬ」など、何故?とか何それ?とか思う中、「飲酒して泳いで死ぬ」には「そりゃ死ぬわ」と思いました(笑)
そんなわけで、アウトドアに行く方や自然の中で遊ぶ方に、危険回避のための盾の1つとして本書をお勧めいたします。
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